紙芝居

今朝の満月は大きく映えていた。


気のせいか中秋の名月よりも大きく見えた。


駿河湾上空から西の空に沈む間際のせいかも知れないが、駿河湾を月の明かりで薄く染めながら落ちて行くのを眺めていると何か胸が熱くなってくる。


ところで今朝も歩きながらスマホで「宮本武蔵」を聴いているのだが途中で 同じ語り口調を子供の頃何度も耳にしている事に気が付いた。


それはまだ小学生の頃、近くの空き地に週3回程度 紙芝居が回って来た事である。


母親からあの当時で10円(?)貰って自転車でやって来る紙芝居を楽しみに待っていたものだ。


紙芝居を観る為には、2本の竹串に盛り込んだ水飴を買うのだが、紙芝居の最中にこの竹串を何度も何度も捩って白く濁らせてから口に運びながら、おじさんの語りを固唾を呑んで聞いたものである。


あの当時の紙芝居のおじさんの語り口は、一本調子の朗読とは違い、10枚程度の絵コンテから人物が飛び出して来そうな勢いで太鼓を叩きながら熱弁を奮っていた。


スマホから聴こえてくる徳川夢声の語り口を聴いていて あの当時を懐かしく思い出した訳である。


今晩はハイキング仲間との月例一杯会が開かれる事から これから電車で出掛けてくる。