赤ひげ その3

前進座俳優の「嵐 圭史」による赤ひげの原作朗読も今朝のウォーキングで一巡した。

一巡して気が付いた事は、黒澤明監督による映画「赤ひげ」の中で鮮明に残っている二木てるみによるおとよのシーンがどうも目に浮かんでこないのである。

昨日、図書館に出掛け原作本を斜め読みしてきたのだが、朗読と全く同じだった。

と言う事は、あの二木てるみによるおとよは、黒澤監督が原作を加筆・脚色したものではないかと思った。


女郎屋の女将にこき使われ精神的に病んでいるおとよを保本が養生所に引き取り面倒を見るのだが、いつまでも心を開かないおとよが目を猫の目の様に光らせながら床を一生懸命に磨くシーンが出てこないのである。


BSのドラマでは、おとよには幼いころに離れ離れになった兄がいて、この兄との再会でハッピーエンドとなっていた様に、映画やドラマでは必ずしも原作に忠実ではなく、監督や演出家によって変わってくるものだと言う事を改めて知ったが、二木てるみのシーンだけは残し再現して欲しかった。